前村綾子『呪い』

怖さ:☆

造型:☆☆☆

状況:☆

前村綾子、おそらく単行本としては2冊きりの作家の、「サスペリア」掲載作品集。

通常時は、もうちょい上の世代、おそらくまつざきあけみ辺りから影響を受けた90年代少女漫画…という雰囲気ながら、ホラーなシーンに入った途端、楳図かずお・御茶漬海苔ばりの苦痛・苦悶に満ちた画面作りが展開され、その落差はホラー漫画としてとてもイイ感じ。

ただ、その「力の入ったホラーシーン」が作品の盛り上がりの最高潮である事が多く、話の流れもストレートなので、ちょっと物足りないところ。

掲載6作中、「呪いの交差点」の死に様がイヤァで怖いのと、「呪われた蝶」の神田森莉的やけくそモンスターオチに爆発力があるのと、は個人的に評価ポイント。