怖さ:☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆
人に寄生し、孵化時に体を食い破る「蝉」の現れた孤島。基本的には刺される=死という状況下で助かる術が無いまま、「妊娠すると卵が母から胎児へ移動する」という事だけが分かる。島にやって来たらしき医師団中の、「妊婦の女医」の主観で状況が描かれる。
…凄まじい表現力で絶望的な状況で描かれているものの、結局「蝉」が何なのかもよくわからないまま、無気力から反出生主義に流れていく主人公・暴力的になっていく烏合の衆(…一定の生々しさはあれど「インターネット上のデモ隊」過ぎる)様子がねっちり描かれ、思索部分の宗教画的な代替表現は中々面白くあるものの、思想的な部分も弱く、「単行本1冊分」の漫画としては何漫画かよく分からず、なんか、リョナとか好きな人なら好きなんでないですかね、みたいな感想が…(少年画報社らしく一定の性的描写が散見されるものの、「思想的」であるのかを避けたのかどうかはよく分かりませんが「本当に描くべき残酷さ」の絵的な描写は避けている様にも)。
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