Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年10月29日水曜日

真山創宇『暗闇のショータイム』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

単行本の出なかったホラーM作家・真山創宇、電子限定作品集。素敵に狂った奇想的状況ばかりが展開される、全9篇。

猛烈ないじめに堪え兼ねて自殺した少女が悪霊化、全校生徒を呪い殺す強力な力を手に入れるも、いじめには参加しなかったものの見ていただけの少女…は敢えて殺さず、ずっと見ていてもらおうとする「饒舌な視線」、

父を慕う娘、親子二人で幸せな家族だった筈が、新しい妻を迎え入れるために父は娘を殺そうとする。林の中を逃げ回るうちに見つけたものから、娘は「幸せな家族」の形を取り戻す手段を見出す「あたらしい家族」、もそれぞれ素晴らしいのですが、

中でも釘書房『孤独』にも収録された「恋い焦がれる島」の最悪っぷりは鮮烈。親子二代に渡り、海亀の女怪に魅入られ、出産(口から)させられる男性。女怪と交わる話…というと大抵何かエロチックな雰囲気が漂って来そうですが、その女怪のデザインといい交わり方といい、上手い具合に何も性的魅力を感じ難いもので、最初4ページ程度が過ぎるとあとはただただ最悪な状況がずっと続いていき、すごい作品です。




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