怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆
TOMI短編集の1。
2作目が「モダンホラー」となっていたのに対し、本作は「スペシャルラヴホラー」。
収録7篇中、最後2篇がギャグ?コメディ?な連作である事を除けば、全作に「ラヴ」が関わって来る、という非常に纏まりのよいホラー作品集。
恋愛、愛・執着・美醜…と、「ホラーの華」と言ってもよいテーマ・ジャンルかと思いますが、個人的にこの単行本が素晴らしいのが、超常存在を交えつつもあくまで「ラヴホラー」である事、美醜要素が出て来ないのですが、そのテーマにおける特に「醜」、絵の怖さに頼らず全編やってのけるという点において、中々に特異なホラー短編集です。
ストーリーはシンプルな傾向が強いですが、引っ込み思案の少女が超常存在の力を借りて意中の人を振り向かせようとするも出て来る人間が全て超常存在に弄ばれるだけという「わたしを愛して」、男子高校生がたまたま出会った女生徒に全てを滅茶苦茶にされる「転校生」、それぞれ名ホラー。


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