造型:☆☆
状況:☆☆☆
出版レーベルの閉鎖により、全2巻・2巻は電子のみの刊行で終わりつつも、単行本1冊分の連載分を未出版状態だった作品が、出版社を変えて、分厚い上下巻で完全単行本化(…ありがたいけど上下で4000円近くは中々…)。
新たに加えられた各作品解題から、カラスヤ先生のインプットの幅広さ・ネタ元の「地獄」部分からの抽出、昇華、消化(アウトプット)の巧さに舌を巻きました。
また下巻掲載、澤村伊智解説中、『おとろし』『いんへるの』『ぢごくもよう』、なんなら『石喰う男』にまで描かれていたホラーチックな要素は、これらの作品のために用意したものでは無く、ずっとこの作家に通底していたものが現れただけ、何なら『いんへるの』『ぢごくもよう』はこの作家が内面に在ったものにより真摯に向き合った結果産まれた作品では無いか、といった話は、作品そのものと合わせてとても良かったです。
…ただ個人的には、イヤホラー・イヤミス的な感覚はどうしても食指が動きにくいというか、おとろし方向のカラスヤ先生をもっと見たいところであり…。


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