Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2026年1月1日木曜日

きもとのりこ『しあわせの街』

怖さ:☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

きもとのりこ電子限定作品集。

きもと先生、元々キレっちまった人間の爆発力・物理的な人間の破壊を描くのが印象的な作家ながら、2000年代序盤辺りに描かれた収録作品群、破壊の度合いだけ見ればもっと酷いきもと作品もありますが、描かれた内容が、見事に現在日本のキレっぷりに対して予言的・示唆的になってしまってます。

人をキレさせるウイルスが蔓延し、その事実から未成年者を守るために、未成年への情報が統制されている…という体の社会で未成年者達が爆発してしまう、まぁ要するにディストピアを描く「ウイルス」。

原因は不明瞭ながら、大人の子供化が進み、社会が野生的・幼稚的・無秩序的に変化していく(あ、あまりにも2025日本過ぎるーッ…)。…けれども、却ってそうした大人達の状況に対して子ども達は理性的かつその感覚を達成していくための能力を獲得していき…。「進化」。

「廻る毒」。会社で溜めたヘイトの吐き出し口の無い主人公は、VRチャット出来るネカフェ(2004年発表作なのに!)みたいな所を見つけ、最初は愚痴を吐ける喜びに興じていたものの、次第にそれは他者を匿名の立ち位置から傷付けられる喜びに変じていく…(ちょっとツイッター過ぎますよセンセェーッ!)。


…あけましておめでとうございます。

何らか絶望的な光景・状況を描いたフィクションをひっどいフィクションだと笑えるよう、なるべくしっかり生きていきたいものですね、2026…。


 

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