Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2012年7月8日日曜日

皮が剥がれる快感「ネウロ」と『暗殺教室』

やったー!
松井優征さんの新連載が始まったよ\(^0^)/

前号のジャンプのオーラの無い表紙と比べて、
この表紙買いしたくなる雰囲気、素晴らしい!
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先生?らしき人物?が、朝礼を行っている模様。

それに向けて銃を向ける高校生らしき人間たち。
・・・どういう状況・・・?
でも、彼らの放った弾丸を、この先生は全て避けてしまったようです。

「先生」は最高時速マッハ20、月の七割を何らかの手段で蒸発させる、という超チート生命体。
 そのあまりの素早さでもって、ナイフ攻撃を仕掛けてくるのを全て避けながら、その人の眉毛を整え飛んでいる戦闘機をピカピカに拭き上げる始末。

そんな「先生」を世界は「ヤバい」と感じて、各国が協調して殺そうとしているのですが、
まぁそんなチート生物を殺す方法も無く。

地球生まれ地球育ちながら、遥かに地球基準を越えてしまった生物、「先生」。
月を破壊し尽くしたように、彼は来年の三月には地球もぶっ壊してしまうらしいのです。
で、その猶予期間を上げる代わりに、彼の出した交換条件。

「殺されるのはゴメンですが…椚ヶ丘中学校の3年E組の担任ならやってもいいと」

???


ひとまず人類はこの脅威に対して、「殺せる弾丸」を開発しました。
ですが、マッハ20で移動し続ける彼に対して、それを当てる術が無い。
故に、世界は彼の出した交換条件を呑み、「椚ヶ丘中学校の3年E組」に人類の命運を託すことにしたのです。
方法は問わないので、彼を殺せた生徒には政府より100億の報酬が。

なんだこの設定。


ちなみにこの「E組」は名門進学校・椚ヶ丘中学校の落ちこぼれ組。
主人公?の渚君も、E組への進学が決まった際には「お前みたいな落ちこぼれの顔見なくて済むのが嬉しい」等と言われる始末。
あまりに激し過ぎる差別。

生徒達にもその「落ちこぼれであることへの諦念」が漂っており、淀んだ空気のあるクラスです。
故に、彼らは自分たちの将来とは既に無縁な100億という成功報酬に向けて、様々な手段で「先生」を狙う。

渚君はあまりにも影が薄過ぎるため、先生に感付かれずに近寄れるのでは?と
(「影が薄い」能力の主人公多いよね、最近!『バニラスパイダー』とか『バニラスパイダー』とか『バニラスパイダー』とか!あと黒子のバスケ)
ジャイアンタイプの同級生に、自爆テロ要員として選ばれます。

「落ちこぼれであること」、「誰からも気にされないこと」、その絶望が、渚を動かす。

だが、彼の必死の行動にもかかわらず、「先生」は渚の暗殺を回避。
そうして、先生の顔色が変わる。


そうこれ!これぞ松井優征作品!

今までニコチャンマークの様な、シンプルかつ可愛らしい顔立ちだった「先生」が豹変!


松井さんの前作『魔人探偵脳噛ネウロ』の魅力の一つとして、一見探偵漫画風に推理を進めていくと、最後に犯人キャラが本性を露呈させる、というところがありました。

「社会性」という皮を最後の最後で引っぺがし、その人の根底がさらけ出されるのは、エンターテイメントであり、ホラーであり、ナンセンスであり、文学であり。



何故彼はそれほど激怒したのか?
「友達を」「自分を」大事にしなかった生徒達が許せなかったから。

自分を殺そうとしたアイデアはグッド、と褒める辺りが素晴らしい。

「教育」という言葉について考えさせられますね!


まぁギャグっぽい感じではありますけども、本作『暗殺教室』においても、
先生を殺そうとする→人間が一番必死になる部分を露呈させる
ところで、先生や生徒達が本性を露わにする所でエンタメかつ人間ドラマ、なシーンが観れそうでワクワクします。


そして意味深な回想シーン。
ネウロのラスボス、シックスの様な禍々しさを感じるシルエットですが…?


最後の最後で「先生」は「殺せんせー」と命名されました。
名付けられて良かった良かった。

なんて酷いネーミングなんだ。


ネウロの、エグイふざけ方が好きな人に勧めたい。

部屋はこころの鏡。


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