Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2016年10月14日金曜日

東元『江戸川乱歩怪奇短編集 赤い部屋』


東元『江戸川乱歩怪奇短編集 赤い部屋』
怖さ:☆
造型:☆☆
状況:☆☆

ご多分に漏れず、幼少の頃より乱歩に触れており、仏像から出て来る小林くん、成す術も無く最後の最後で登場する明智先生、捕まえても捕まえても小狡く逃げ出す二十面相が好きでした。いや、二十面相は別に好きじゃないな…

ので、乱歩メディアミックスなんかも積極的に触れているのですが、コレ。
東元の『赤い部屋』。

元々の赤い部屋の世界観へ乱歩世界の人間たちを一緒くたにぶち込み、各々の異様な体験を赤い部屋の話者として一晩ずつ語らせ、見事に「連作短編集」として一つの物語に仕立て上げてしまっています。

コミカライズも見事。
鏡地獄、人間椅子、そして赤い部屋などが、殊更にグロテスクさを強調されたりはせずに、「怪奇」「不気味」に重点を置いて漫画化されています。

作家自身の特色は感じにくいものの、「変な脚色無く、乱歩世界を一つにまとめ上げた」という点において、かなり面白いコミカライズ作品なので、乱歩ニアン?乱歩ニスタ?は是非お試しアレ。


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