Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2017年1月17日火曜日

山岸凉子『ゆうれい談』



山岸凉子『ゆうれい談』
怖さ:☆
造型:☆
状況:☆☆

山岸凉子、実録怪談。
自身や、周りのアシスタント・漫画家の恐怖体験を漫画にしたもの。

誰が体験したかが分かっている(体験者が無事なのが分かっている)、絵柄がデフォルメと半々ということで、全く怖さがありません。
まぁ体験した当事者が恐ろしかった、と言う気持ちは分かるっちゃ分かるんですけどね…。

じゃあ何故わざわざブログ記事にしたのか、こき下ろすために記事を書いたのか、と言われれば全くそんな思いは無く、
この漫画が「漫画家漫画」としてギョッとする様な豪華さに満ち溢れてるのがスゴい、とちょっと言っておきたかったのです。
勿論山岸凉子さん自身が漫画中に出て来る、なんてのも近年全く無いのでレアなのですが、まず山岸凉子・萩尾望都・大島弓子が漫画中に揃う。ほんでささやななえを始めとするアシスタントの人たちや、その他の漫画家友達、みやわき心太郎や本宮ひろ志やら。エッセイ漫画なんで当たり前なのですが、それらの人々が「単なる一キャラ」として漫画に登場する凄まじさ。

とはいえ、山岸凉子。禍々しいもの・恐ろしいものを描写したら少女漫画家で右に出る方は居ません。他の人が描いたらギャグになりかねないちょっとした心霊譚を、見事に恐怖譚に仕上げています。


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