高田築『野ばら』
怖さ:☆(「こっちを見てる」単体なら☆☆☆)
造型:☆☆
状況:☆☆☆
何となく「人が無表情になる瞬間」、もしくは「表情・感情の無いもの」を描き表すのが上手い作家さんだなぁと思います。
また、2巻収録の「北陸いけない夜行」、単に自分がオネショタ好きなのかもしれませんが、女性教師と小学生男子によるいけない夜行、露骨にエロでもないけどもでも過激な、という絶妙な温度感・距離感好きだなー、とか。
そう、ココに載せますが別にホラー漫画短編集ではありません!青春ドラマアリ、コメディアリ、とちょっとスコシフシギ寄りの短編集。
…かと思いきや「こっちを見てる」という短編が抜群に怖いのです。アクション映画チックな暴力表現の強い短編はあれど、基本的には「ポップさ」が前面に出て来た短編集の中、これだけ後に続く「モズクス」のスプラッタシーンを思わせる恐怖感・緊迫感のある短編。周りが明るくポップだからこそ、余計歪みを感じるのかもしれません。
幽霊女の生首を見ると死ぬらしい、という噂が広まる。主人公姉妹の知人の女性がそれを見、入浴中に団地の屋上に上がり、降りて来いという周囲の言葉には耳も貸さず、ノーモーションで団地からダイブ、死亡。
その後も他の人がその生首を見。
「生首」のデザインは色気(ホラー的に)の無いものですが、それを受けての周囲の人の「ノーモーション」っぷりがとても怖い。話が通じなくなる、何をしでかすか分からなくなる、という怖さ。
オチも最悪で、ホラー漫画的にはサイコーです。
いや、でもホントしょむたんとか可愛いんよ、この短編集・・・。
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