西たけろう「悪夢」
怖さ:☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
欲しい欲しい、西たけろうの貸本ホラーが欲しいよォーッ
とちょろちょろしていたらガロにぶち当たってしまいました。
ガロ 1970年1月号、 西たけろう「悪夢」。単行本未収録。
徳南晴一郎『人間時計』の如く、次々に主人公に襲い来る不条理。そこに論理はありません。けれども、緊迫感は無くエヘラエヘラ、とページが進んでいくと、迷宮の奥に居たドラゴンとグリフォンの合いの子じみたキメラ。何なのかは分からないけど、どう見ても危険そうなモンスターです。
と思ったらグアッとそれが襲い掛かって来て、喰われて、終わり。
見事な夢の浮遊感・不安感の再現、とも言えますが、『ねじ式』の読感の様な「世界観に嵌まり込む」感じの前に、夢が途切れてしまう、ような。
故に怖さを感じる間も無く、アレッ、と虚を突かれる作品ではあります。が、その描き込まれた「西たけろうの世界」は一目見ればその存在感に圧倒されるはず。
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