怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
☆満点作品です!
犬木先生が、単行本未収録になっていた連載作品を、ご自分で同人誌としてまとめられたもの。古典に原作を取る、時代物連続怪奇譚。幼少期の、宇治拾遺物語とか雨月物語なんかの抄訳に挟まるヤケにグロい話、に心躍った事を思い出す様な威力・迫力があります。個人的には、90年代全盛期の犬木先生の作品の面白さに立ち並ぶ作品群。既視感のある様な、でも見た事の無い、怪談or犬木加奈子漫画。
なお、同誌に犬木先生が、ネタ元を小泉八雲か柳田國男でないか、でももうメモ等残っておらず分からず...といった事を書かれていたものの、何となく八雲やら柳田やらはザラッと通って来た気がするけど全然覚えの無い話ばっかりだな...とちょっと気になって調べたので、ネタ元を記載しておきます。
・新妻の秘密…『諸国百物語』「〜死骸を漆にて〜」
・老婆百歳越え…浅井了意『伽婢子』「人鬼」
・人面瘡…『伽婢子』「人面瘡」
・百物語…平秩東作『怪談老の杖』「厩橋の百物語」
・人形いきて〜…本作のみネタ元不明、欄外に「実在の怪談をベースに構成」とあったので現代怪談を時代ものに翻案したものか?
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