ブクブク交換ってやつをやってやろうと思います。
ブクブク交換とは?
ほとんど上の広告の繰り返しになりますが、イベントの概要。
日時:2012/02/14(火)場所:Cafe Granpa(阪急長岡天神駅降りてすぐ南)〒617-0826京都府長岡京市開田3丁目7-27参加費:800円募集人数:最大15人程度
・持ち寄る本のテーマはバレンタインデーにちなみ「春」もしくは「恋」
・そのテーマに沿った漫画・本を各自1~3冊程度持ち寄る。(1冊で全然構いませんが、新たに準備したり、要らない本を持って来たりするのはご遠慮ください。あくまであなたの大好きな本を他人にもオススメするというコンセプトです。)
・本には名刺を挟んでおく。(誰の本か分かる程度で構いません。名前と、SNS等のアカウントが書かれた程度で結構です。)
・持参した本を自らプレゼン。何故その本を持って来たのか、何をオススメしたいのか、簡単に語って頂きます。(皆の前で喋るのは恥ずかしいかと思いますが、頑張って下さい。司会者もそれなりにアシストします。)
・プレゼンが終わった後は、お待ちかね本と本の交換タイム。気になった本を交換。(指名性の様な形にします。気になった本を、話し合いの上で各自持って帰って頂きます。)事前に準備して頂く物:交換する本(最大三冊まで)、名刺、参加費
開催場所、cafe granpaの方の告知記事。
➼ブクブク交換@cafe granpa開催します!
今回のイベントの、発端になったイベント。
➼憧れのヒトハコ『天神さんで一箱古本市』
という訳で、2012年2月14日(火)、開催致しました!
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参加者9名という小規模開催ながら、
本の総冊数22冊ということで、中々各々が触れることの無い本との出会いを楽しめたのではないかと思います。
それでは、参加者の皆さまが「恋」と「春」をテーマに持って来て下さった本をご紹介しましょう。
持参者の方にとっては、あらすじ・装丁の絵のレトロな雰囲気・作者の名前・タイトルから何から全て、グッと来るモノだったそうで。
三百ページある内の、二百ページまではフッツーでつまらんけど、其処から後は素晴らしいファンタジー小説になる、んだとか。
谷川俊太郎さんのご両親の手紙のやり取りを、書籍化したもの。もう、ラブレターなので、読んでるだけでキュンキュンしてくるらしい。
4.空をかついで
生活の力強さが満ち満ちた、詩集。持参者の方は初春が旬、ということで『シジミ』という一編を紹介。
持参者の方は学生時代非常にもてたらしく、リアルでの異性との距離感が掴み辛くて困った、とか。この本で描かれる感じが理想的だったらしいですが、今読むとあまりにあからさま・恥ずかしい内容で、ほとんど読み返せなかったそうです。
割と「元祖負け犬」的な著者のエッセイ。持参者の方が本棚から「恋」「春」を見つけ出せず、あ、これ表紙春っぽいんじゃね!?と苦肉の策で絞り出してきた一冊。若者はコレを読んで、どんなに歳のいった女性でも、内面は何も女の子と変わらないんだよ、ということを勉強して欲しいそう。
「帯に思いっきり『恐怖』って書かれてますけど大丈夫ですか?」と司会者からツッコミが入るも、持参者の方は「いや、ちゃんと女の子同士の、危うい感じの恋の話が入って来るんで!」とのこと。
様々な恋の話で溢れる短編集。持参者の方はたまらなく谷川史子さんが好きだそうで、好きになったきっかけの一冊だそう。
「女子高生が恋する→失恋する→自己を発見する」という、ちょっとケータイ小説のようなしょうもない話しながら、その自己発見の過程がアリアリと描かれた、文学作品なんだそう。
10.竹久夢二、恋の言葉
乙女おっさん・夢二、恋について語る。そのあまりの乙女っぷりに、持参者の方は女性ながら、完全には共感出来なかったそうです。
持参者の方としては、魚喃キリコ作品の中で一番面白い、と思う一作。映画化もされてます。ほろ苦い、イイ歳の女性達の恋愛が描かれる短編集。なのにストロベリーショートケイクス。
写真ブレちゃってごめんなさい。タイ人漫画家、ウィスット・ポンニミットの作品集。ストレートかつ抽象的に、抽象的な命題「恋」なんかをシンプルに描きだそうとする作家のようです。
あんまり恋や春とは関係ない内容らしいですが、持参者の方が主人公のロボット「星屑」と、女子高生「ニーナ」が可愛過ぎて恋しちゃったみたいです。
谷川史子2冊目。といっても同じ方が持って来たのですがw 持参者の方が、大学で短歌を研究しよう、という転換点になった作品、「積極」収録。登場する短歌が、非常に効果的に作品を演出しているそうです。
大人が書いたにもかかわらず、非常に子ども視点が上手く描かれていることに驚いたそうです。ちなみに持参者の方は、過去に何度か「大事な人」へこの本を贈っているらしく、もし贈られた人同士が出会っちゃったらどうしよう、なんて少し悩んでるそうです。
16.ぼくは?のき
持参者の方が、お子さんの為に書かれた話を、自費出版で書籍化したもの。現在では世界に数十冊!きちんとアマゾンにも希少ながら流通しているようですし、「作家さん」ですよ、まさかイベント初回から作家さんが参加してくれるとは!
持参者の方は、内容よりも装丁の方についてアツく語ってらっしゃいました。平成の岩崎ちひろ、いや岩崎ちひろを超える逸材だ!とか。(ごめんなさい、肝心の画家名を失念してしまいました)
18.たとへば君―四十年の恋歌
先程の、谷川史子作品に引用されていた歌の作者のエッセイ。
表題作「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに 私をさらつて行つてはくれぬか」を読み上げた後、持参者の方は赤面されていました。
「旬がまるごと」という一つの果物や野菜を徹底的に特集する雑誌のレモン号。単に調理法等に留まらず、「なんとやらの味はレモンの味」みたいな色恋沙汰の部分にも言及があるそうです。
楽曲の作詞なんかもやってらっしゃる持参者の方にとって、「美しい」と感じさせる文体とストーリー構成だったそうです。
21.野鳥の歳時記〈1〉春の鳥
「春」ということで持って来られた図鑑。今回のイベントが開催された長岡京には、市民がよく歩いている川辺が在って、外から帰って来た時にこの本を見て、「あー、この鳥この鳥!」と持参者の方は確認して楽しんでおられたとか。
美麗な絵巻は勿論のこと、収録されている手紙などに見られるカナ文字が、持参者の方の心をつかんで離さなかったのだそう。大事な本、でも、思い切って手放して、また大事にしてもらえる人の所へ送り出そう!と一念発起して持って来られたんだとか。
今回の「春」「恋」をテーマに、集まったのは以上の22冊でした。
主催者の事前の心配としては、もし人気の無い本が出てしまって、余るような事態になったらどうしよう、極力同情しているような素振りを見せず「それ欲しいです!」と上手く余らないように持って行くべきか、いや、でも主催者といえどもそんな風な自己犠牲的な、自分が楽しめないスタンスでイベントを行って意味があるのか、どうだろう、どうなるだろう
などと不安に思っておりましたが、
面白いもので、綺麗に、皆さんお持ち頂いた冊数と同じ冊数だけ、欲しい本をお持ち帰り頂く、という結果に行き着くことが出来ました。
ちょっと身内率が高くなってしまったため、「人との出会い」という観点では少々失敗っぽい感じになってしまいましたが、知っている人でも「あー、この人はこんな本を読むのか!」という新たな一面を発見する様な面白さがありました。
また、勿論「本との出会い」という観点に立つと大成功と言わざるを得ません。
世の中にいくらでもあるはずの「自分が面白いと思える本」。
でも結局「自分セレクトによって選びだされた自分が面白いと思える本」は、「自分」という枠線に捉われてしまいます。
故にこうしたイベントで、他人の価値観で選び出されたモノに出会える、ってことは素晴らしいことなんじゃあないか、と思うわけですよ、俺は。
まぁ理論云々はどうでもよいので、またこうしたイベントを開催したく思います。
そして、また、そのイベントによって、本だけでは無い、まだ見ぬ誰かに会えることも、楽しみにしています。
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