Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2014年10月30日木曜日

もっと知られても良いだろ!と個人的に憤りを覚えるホラー漫画5つ+2


ホラー漫画。ひばり書房、レモンコミックス、ホラーMコミックス…。それらに載った数々の作品の恐怖感・もしくはそれを出そうとして何故か面白すぎる方向に行ってしまったシュール感は、今でも新たなファンを次々と生み出しています。
が、未だ「語られていないホラー漫画」は、ある!
今回は作家としてそもそも評価をあまり受けていない・もしくはホラー漫画家、ホラー漫画の名作として知られていない、あまり話題にされない作品、たちを5つご紹介します。(自慢も含め)
入手難度もついでに5段階表記。A(超スゴい)。
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・長尾文子/エイリアン・ハンド 入手難度:D

金田一耕助や内田康夫作品などをコミカライズしていた作家さんの、ホラー単行本。これに収められてるのが4作品作風としてはどれも「マルサイ」を田島昭宇の『サイコ』的な絵柄で描くような、絢爛かつエゲツナい、感じ。裏表紙から既に不穏な空気が漂っていてグッド。

この画像の「最後の晩餐」という作品、原作付ではありますが、人肉食をテーマにした漫画は数あれど、ここまで「料理」っぽい感じで身近に感じさせる演出の漫画を、俺は他に知りません。この人、天才料理人なんですが 、監察医と一緒に死体安置所に潜り込んで死体を解剖、胃の内容物を食して、死の直前に食べていた料理を分析する、というかなりお反吐を漏らしそうなことをやってのける。食戟のソーマで敵ボスとして出て来ても全く違和感無いですね。
 古本屋ではまず見たこと無いですが、この記事を書いてる今現在ならアマゾンマケプレ1円!買いですね!


・日菜さちこ / 死体あそび 入手難度:B

単行本化されているのはこの本のみ、の作家さん。「シリーズ危険な子供たち」と銘打ってある様に、とにかく危険な子どもがバンバン出てくるサイコホラー短編集。4編の内、1編バイオホラーっぽい。この↑画像↓が表題作なんですが、

大体この本に出てくる「子ども」ってのが、ヤバいやつは大体色狂いというか、色狂いの癖になんか上手いこと性的な雰囲気は避けて狂気を出すというか、みたいな感じです。
上の画像なんか、どう見ても美少女の股間に顔を埋めてて、三条先生や早見先生ならもうドロッドロンのグチャングチャンなシーンにならざるを得ないシーンなのですが、この漫画においては「傷口を噛む」シーンなのです。甘噛みよりもうちょい強めくらい。

で、これは別の作品でちょっと可哀想なシーンなのですが、ジャガーさんみたいな目をした女の子が何故かカラスに襲われる中、開眼しちゃうんですよね。なんだろう、この表現は。
まあそんなことはどうでも良くて、全体的に色狂い(小学生とかなんですけど)が思い詰めてかなりサイコな出来事を起こす、行き過ぎた感じが素晴らしいホラーばかりです。「ガキムンチョ王」という作品の胸糞の悪さは、是非ケッチャムなんかのファンにお勧めしたい所。
改めて手に入れようと思うと何処にも売ってないので非常に苦労しますが、ハロウィン少女コミックという有名レーベルからの出版で、読者は結構居るため、ホラー漫画ファン・もしくは90年代にホラー少女雑誌をよく読んでた人は知ってる人が多い作品。借りる・見せてもらう、のはボチボチ出来るかもしれません。



・ギロチン女 / 鹿野景子 入手難度:B

何を隠そう( 隠してないけど)、唐沢俊一氏の妻・ソルボンヌK子さんの別ペンネーム作品。
 ホラー単行本を何冊かこの名義で出してらっしゃいますが、今の所俺はこれしか読んだことが無く…。

ギロチンを生殖器に装備させられる、鳥に喰われる、蛇に改造させられる、クラゲに刺されて死ぬ、屠殺しまくってたので代わりにライオンに喰われる、という5編。こうやって概要並べ立てるだけでもB級臭がして堪らん人には堪らん感じがあるかと。
「イクーっ」

「ジャキン」「ぐえっ」
説明しよう!騙されて獣姦AVに出演させられた奈美は、謎の整形外科医の手によって改造人間・ギロチン女となったのである!
もの凄い不快感のある描写を取り入れつつも、何ともバカバカしいやり過ぎ感のあるストーリーが癖になりそうです。表紙ほどおどろおどろしい雰囲気は無く、「ホラー漫画」というよりは本当に「B級ホラー映画」を見ているような感覚。
これも中々見かけないですが、ボチボチネットには落ちてる感じ。2000円前後ならまぁ買いかな、といった本です。

・一匹と九十九匹と 2/うめざわしゅん 入手難度:E

『ユートピアズ』収録の「どつきどつかれて生きるのさ」が「世にも奇妙な」でドラマ化され、一応「メディア化作家」となったうめざわしゅん。とは言え、出た単行本は『ユートピアズ』とこの『一匹と九十九匹と』(全2巻)の3冊のみ。発想力が凄まじい(筒井康隆をちょっと華倫変よりにねじ曲げたような)ので、もっとバンバン出して欲しい。もっとたくさん読みたい。と思う作家さん。
この「一匹と」は別段ホラーではないんですが、スゴい怖いんです。1巻と2巻がそれぞれ別々の話なんですが、特にこの2巻の振り切ってる感じ、スゴいです。


何事にも動じず、何人にも揺らされない「自分の強さ」だけを柱に生きて来た男が、信仰を胸に抱く女性に出会い、その女性を知人にレイプさせる話。
作中人物達が「リアリティーがあり過ぎて何考えてるか分からない」という感じが非常に怖いんです。この画像のラストシーンに行き着くまでに何が起きるのか、必死に想像を働かせてみて下さい。


まんが このミステリーが面白い!猟奇ホラーミステリーセレクション  入手難度:B

よくあるコンビニ本なんですが、なんと原作付ではありますが田亀源五郎がホラーを描いている!
「倅解体 」。まあ田亀先生の作品の中に同じタイトルがあっても素通りしそうな感じのタイトルではありますが、老夫婦が引きこもり、凶暴化した息子を「解体しよう」とする話。
巧みな感情表現により、直接的なゴア・グロテスクシーンの少ない本作を、見事に漫画として仕上げています。

これ別にギャグシーンでもゲイシーンでも無いんですが、なんかインパクトがあって好きなので、知人の「えっ?」ていう感じのメールへの返信に積極的に添付してます。
コンビニ本で重版かかってないので手に入れにくいといえばにくいんですが、この本自体に「これだ!」と注目してるのが多分日本で俺を含め10人くらいしか居なさそうなので、アマゾンマケプレで買っちゃって下さい。



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ほんで以下の二つは本記事とは少しズレちゃうので、+2って感じでご紹介。

・戦慄!!呪いの都市伝説モンスター 入手難度:A

 作家陣が評価され過ぎなので、もっと知られても良いだろなんて憤れない豪華さ。ドリフターズかよ、と突っ込みたくなるくらい、その筋の人間には イイ作家さんをぶち込みまくってます。
表紙がまず丸尾末広で(漫画は描いてない)、作家陣が御茶漬海苔・逆柱いみり・児嶋都・花輪和一・呪みちる。よく実話系ホラー描いてる鯛夢さんも良い味出してます。そんな作家陣が描いた漫画が全部書き下ろし・単行本未収録。やり過ぎ。
コンビニ本系のアンソロコミックはよく大物作家で引き寄せといて実はその作家イラストだけでしたー、もしくは企画なんで仕方なく描きましたー作風とか知ったこっちゃねぇっぜ、みたいなのをよく見ますが、この本、どれもきちんと漫画なんです。
いみりさんの描く「マッドガッサー」、舞台がアメリカなんですが、どう見てもアジア。いみり節大好き。上に挙げた作家さん、どれもきっちり「その作家の漫画」が載ってます。
上にも書いた様にコンビニ本はよほどの人気タイトルをコンビニ本化したものか、もしくは何らか出版社に事情があるものしか 基本的に重版がかからないため、こちらもおそらく初版しか出ていません。
古本屋でまず売ってないだろうし、まんだらけで一応強化買取告知してるみたいですが、果たして入って来ているのか…?
マケプレで3000円前後なら買って損は無いはず。


・ばけものだらけ/ 雨鳥 入手難度:E

妖怪漫画であっても、ホラーではないのでこちらもちょっと除外気味。
帯に「水木しげる」と載ってますが、森野達弥さんのような絵から水木臭が!ではなく、妖怪画に残る妖怪達を上手く自分流に咀嚼し、漫画のキャラクターとして扱うことに成功してる、という意味で水木臭のある作家さんです。
妖怪を家族として生きる(血の繋がりは無いけども「父ちゃん」「姉ちゃん」といった呼称)少年・ヨタと、彼を取り巻く妖怪の話。妖怪が恐ろしさを全く失った訳ではなく、ヨタの強すぎるコミュニケーション能力によって心地の良い馴れ合いっぷりにさせられている、というのがツボです。前作『向こう側のまさか』もその妖怪デザインのオリジナリティ溢れる咀嚼っぷりは素晴らしかったのですが、如何せん雨鳥さんの本領は本作のような「異世界日常系」で発揮されるのかな、と思いました。
もっと活躍して欲しいので、この記事を読んで未読の方は買う!べし!




…また面白そうなホラーが溜ったら記事を書こうと思います。

この高野聖がスゴい!

➼現実を揺らす現実感『リアリティー』


ギャグなんだかホラーなんだか少女漫画なんだかよく分からない魅力。

➼ずんどこ耽美、ポップに残酷を楽しむ『創世記』



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