Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年9月19日木曜日

森由岐子『柩の中の家』

怖さ:☆

造型:☆

状況:☆☆

森由岐子『魔怪わらべ 恐怖の家(魔怪わらべの唄)』・森由岐子『柩の中の家』・あかしまや『柩の部屋』、似ていながら全て異なる作品ですが、『柩の中の家』に関しては、明瞭に森由岐子先生が「魔怪わらべ」をセルフカバーした作品です。

「同時期に受けた仕事を適当に完遂した」のでは無く、「魔怪わらべ」で女性キャラが出した反応を『柩の中の家』では男性キャラがほぼ同じく見せる、という辺り、「読者へのサービス(読者ウケ)」を狙ったものにしか見えないのですが、果たして当時どれほどの読者が良作を読んだものか…?

人気絶頂の女優が突如姿を消し、その足跡を追った男性記者もまた行方不明になった。

記者の妹と記者の友人の男性記者は、二人を追って山へ向かう。…その山で女優らしき人を見かけ追って行くと、老母と娘のみ住む館を見つけ、泊めてもらう、が、「トイレが無い!!」。…作品としての魅力はもう、ほぼパロディのみにあり、熱心な森由岐子orひばり書房読者以外には色々な意味で読む価値の無い作品ですが、だからこそ「分かる人」にはめちゃくちゃ面白い作品です。…なんで別出版社・別レーベルでこの作品が出版されたのか…?



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