Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2026年5月19日火曜日

都会『箱の男』

 

怖さ:☆

造型:☆☆

状況:☆☆☆

2026年3月に単行本発売、発売直後のインターネット広告において、「『箱から手が出ている』という存在が本当に生活の中に在る」事を示唆する内容・ヴィジュアルがウケたのか、各所でカルト的な反応で以って支持された作品。

幼稚園児・由美子のパパは「心の風邪」で、由美子が物心ついた時から箱の中に居て、由美子もその姿を見た事が無い。けれども母と父との平和な三人暮らしを行っていた。

「異様な存在」を核とした、イヤミス漫画作品。エッセイ漫画の様なゆるっとした絵柄は、例えば「パパが箱の中で(排便等含む)どうやって生活しているか」をちゃんと描かない事で、ホラー的な怖さは薄れさせてしまうものの、「エッセイ漫画の様なゆるっとした」によって状況の異様さを際立たせる感覚も。

「パパの存在」は序盤からずっと描かれており、そこから漂う不穏さが、作品の結論の悲しさに繋がっていく、(イヤミス的なストーリーの流れとしては美しくあっても)個人的にはあまり好きなタイプの作品ではありませんでしたが、その「箱の中に居た異常な存在」というオチを前振りとした大オチの無常さ、「人間存在の不可解さ」を描く様で、素晴らしかったです。



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