怖さ:☆☆☆
造型:☆
状況:☆
「内田春菊ホラー傑作選」と題して、漫画3篇・小説4篇と、7つの連作小説から成る「クユクユがあばれる」を収録。
表題作的な「私が何をしたっていうの」。
集合住宅に越して来た若いカップル、女と周囲の住人は挨拶を交わした程度の交わりだった筈なのに、住人からの接触はやがて嫌がらせへ、危害へと変わっていく。動機は分からない。狂気的な「カップルへの追い詰め熱」の高まり方は非常にホラーながら、その「動機の分からなさ」はダメージを喰らっていた筈の女も同化していき、ホラーとしてもイヤミスとしても非常に質の高い作品。
なお、残りの漫画2篇も、人間の普遍的なイヤさを抱えたホラーで中々厭な感じながら、小説作品は概ねイヤミス…というかほぼ露悪的な内容で、タイトルにある「ホラー傑作選」として触れるのはちょっとキビシイ感じ。
「漫画or小説に絞る」「(呪いのワンピースなんかも含めた)『ホラー傑作選』を編纂する」という位の気概は、制作サイドに見せて欲しかったところ。
0 件のコメント:
コメントを投稿