Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年12月29日月曜日

有田景『恐怖はいつも後味が悪い』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆

状況:☆☆☆

有田景電子限定作品集。

有田先生、「少女ホラー」を旨とするホラーM作家が比較的「恋愛」を作品テーマとする中でも、恋や愛に対して異常要素を付随する事でホラー漫画化させる…という印象が個人的に強い作家ですが、本作品中でも収録14篇中(内3篇が新妻主人公で結婚・出産・育児がサブテーマになる「若奥様 ホラー篇」)、9篇が恋・愛に関わる、と良い意味で偏った作品集。

中でもホラー漫画的にグッと来たのは、「増殖するワタシ」の、「自分だけが価値を分かってるブランド」という思春期的選民意識と、「マクロでは似通った格好になる」という同時代性…から、「みんなワタシになる(そして自己崩壊)」という流れの批評性というか、若者への理解度の鋭さ、痺れます。

蛇を溺愛する男性主人公による「愛の蛇少年-恋するものはげに恐ろしき哉-」、ずばり恋患いを作品テーマとした「ハヤリヤマイ」も、有田景ならでは、といった趣のホラー漫画でイイです。



0 件のコメント:

コメントを投稿