Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2010年9月22日水曜日

将棋漫画の形をしたバトル漫画『ハチワンダイバー 16・17』




「大きい」というのはもう、それだけで強い。
『ハチワンダイバー』は字がでかい、コマがでかい、汗がでかい、目がでかい、数字がでかい、乳がでかい。それらが何故でかいかと言えば、思いがでかい、思いが強いからなのです。(乳は違いますが)

そして、それらの大きさが漫画に勢いを付け、勢いが馬鹿馬鹿しさを押し切る事で、ありえねぇよって展開も爽快感を持って読者は一気に読み切れるのです。


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けど、本来将棋って長考する思考遊戯なんじゃねーの?

NHKの対局の放送を見ても分かる通り、将棋は外面上は静かにゆっくりと進行するゲームです。
にもかかわらず、『ハチワンダイバー』では内面はともかくとしても、外面にまで激しさが表れ、さながらバトル漫画の如く、キャラクター達は叫び、唾を飛ばし、涙を流し、悶え苦しみます。本来の闘争の姿を、思考遊戯に持ち込んで来るのです。

無論、実際の棋界でも命を懸けた戦いが繰り広げられているのだと思います。
そうした「棋士という人間の苦しみ」は丁度同時期に始まったヤングアニマル連載の将棋漫画『三月のライオン』で描かれています。
しかし、『ハチワンダイバー』は「命を懸けている」漫画ではなく、「命を賭けている」漫画なのです。
賭けは競い合いではなく、奪い合い。
闘争により本質的なものです。

将棋を飛び越えて、将棋という思考バトルの思考の苦しみを越えて、
「人間の闘い」が描かれているのが『ハチワンダイバー』なのです。


まぁ両者はアプローチの仕方が違うだけで、
『ハチワンダイバー』はより直接的な描かれ方をしているだけなのですが、
前述した「でかさ」によってより勢いを獲得しています。

今回、何故か単行本が二冊同時に発売されて、16巻と17巻の表紙で合わせて一枚の絵になっています。
向かい合う、ヒーローとヒロイン。
どんな意味合いがあるのかはまず読んでみるのが良いと思います。

16巻ではついにラスボスの「鬼」が登場。
その底知れない魔王っぷりは『ベルセルク』のグリフィスの様な、指輪物語の冥王サウロンの様な、純粋悪。

17巻では超タフネスを相手にした、100時間ぶっ続け将棋。
ただ起きていても100時間なんて果てしないのに、最高に頭を使いながら起き続ける100時間。
どちらも、とても文化系をテーマにした漫画とは思えない勢いに満ち溢れています。

エンディングはそんなに気にならないけど、
ラストバトルがどんな風に行われるのかが非常に楽しみな漫画。


焼け付くような熱を感じたいのならこちらもオススメ。
発情期のサルどもへ『サルハンター』


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