Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2018年5月20日日曜日

那州雪絵『私のともだち』


怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
☆満点作品です!

花ゆめで『ここはグリーン・ウッド』を連載していた少女漫画の大家が、突如として発刊したガチのホラー漫画。

旧校舎のトイレに住まう「謎の怪物」と仲良くなるも、「怪物は怪物であった」という超ブラックな表題作を始め、胸糞ホラーが6編。
少女漫画家としての絵の巧みさだけに訴えず、シチュエーションも完全にホラーです。

グリーン・ウッドは、ボーイズラブ気味のコメディ作品なのですが、そのやり取りの後ろにしっかりと「キャラクター」が見えるせいか、男性が読んでも面白い作品だと思います。精緻なキャラクター同士のやりとりが作れる人は、何を作っても面白い、のか…?

「ホラー」を描く上での、必ず必要な感情、渇望・羨望・嫉妬・悪意、といった負の感情が巧みに描かれる故に、化物が出て終わり、じゃない。
「少女漫画家」とか「やや耽美寄りのウイングスコミック」とか、そういうのは気にしないで下さい。ホラー漫画好きのあなたが満足出来る「イヤァな巧みさ」、あります。

あ、尚、アマゾンで見ると満点を付けてない方が居ますが、それは「ウイングスの読者」「女性向け作品の那州雪絵読者」、本単行本に本来付くべきでない読者の評価、なので、鵜呑みにせぬよう!

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