subbacultcha
「書肆鯖」の中の人のブログ。
本と漫画と映画とロックと芸術と妖怪とに埋もれて暮らしたい。
ホラー漫画と変な本を探すのがライフワークっぽい。
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「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。
2018年5月12日土曜日
押切蓮介『サユリ完全版』
押切蓮介『サユリ完全版』
怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆
☆満点作品です!
念願のマイホームを手に入れた一家。けれどもその家には凶悪な悪霊が取り憑いていた…。
容赦無い悪霊の理不尽さが家族を破壊していく前半、人間の力が超常を力強く乗り越えようとする後半。圧巻の構成です。
『ミスミソウ』『猫背をのばして』と並び、押切先生の「対世界」が表れている作品で、「世界は理不尽と暴力に溢れているけど、猫背をのばしてしっかり生きなきゃならない」というスタンスが背骨として通っている感じがあります。
個人的には分冊でガラリと景色が変わるのもイイけど、一息に読めるのもまた乙い作品です。
ただ、描き下ろしがあるといっても、エンディングが違ったりする訳ではなく、ばあちゃんの強烈さを補うだけのものなので、旧版・コンビニ版をお持ちの方が合わせて買うほどではないかな、と思います。
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