Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2018年6月13日水曜日

しちみ楼『ピーヨと魔法の果実』

しちみ楼『ピーヨと魔法の果実』
怖さ:☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆☆



「ピーヨ」なる、鳥とも人とも付かぬ謎の存在が、奇妙な目に会う・会わす・ビビる。
不思議悪趣味奇譚集。ストーリーテラーかと思いきや、ピーヨ自身も決して安全な立ち位置にいつも居るわけでは無い、というところに読者は裏切られるやも。
時折信じられないほどブラック、グロテスクなオチが待ち受けてたりもしますし、
割と人体の保全や生命の安全は軽視されがちな漫画ではあるものの、表紙からも漂うポップな印象が作品中に充満しており、起きて居る事象の割には怖くは無いので、ホラーというよりはブラックコメディという感じ。

ただ、この可愛いとも言い切れないし、かといって悪趣味な見た目でも無い、不思議存在、「ピーヨ」というキャラを生み出し、育て上げたことがしちみ楼先生最大の功績!
画面内、いや、「〜ーヨ」と喋るだけで、アッ、ピーヨがが居るぞ、不穏!と読者に思わせる強烈な刷り込み力がある一冊。

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