怖さ:☆☆☆
造型:☆☆☆
状況:☆☆
避暑で廃村の屋敷に泊まる事になった親子三人は、何も知らないまま村に根付いた怨恨の物語に巻き込まれる事となる。
装画に反して、(水木しげるがイメージ化した「犬頭の公家」的妖怪の様な)「犬妖怪」的なものとは無関係に、しっかり「犬神憑き」とそれに纏わり付く話を描き切る。占いに長け、村の中で村長を凌ぐ権力を持ち得た犬神筋の一家が恨みをかって殺され、その怨讐が長い年月を越えて無関係な人に及んでしまう、というお話です。『吸血伝』にも並ぶ様な、血と怨恨がばら撒かれてた物語。
妖怪ものとしても怪奇漫画としても素晴らしい、けれども未発表となっていた原稿を、まんだらけが復刻・3バージョンの装丁で限定単行本化。
見事な収拾の付け方・見事な残酷描写ながら、限定的な怪奇の範囲だったりオチの理不尽な付け方だったりで、少し白川先生の他作に比べて、若干面白みや論理展開が弱く感じるところ。とはいえ、自分はフィクションでこれほど「犬神憑き」をメイン要素に据えてきちんとやった作品を、他に知りません。


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