Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2026年6月10日水曜日

子守ヒキ『誰かが描いた漫画』

 

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

全3巻。

「漫画家・子守ヒキ氏が入手した作者不明の誰かが描いた漫画を、漫画家のコメントを添えた上で作品として公開する」という作品。「誰かが描いた漫画」は複数のホラー漫画であり、それらがホラー漫画オムニバスとして立ち上がっていくと同時に、漫画家・子守ヒキ氏が他者の作品を公開する事で生まれる自身の反応を漫画にしたもの、という二重構造で展開される作品。

2026年、ホラーブームの隆盛、モキュメンタリーも食傷気味になる程の昨今において、既に漫画でも幾作と近似表現の先達(例えば景山五月・梨『コワい話は≠くだけで。』なんか滅茶苦茶ホラー漫画として上手いと思うですが)が存在しながらも、何故かこの漫画は異様に厭な気持ちになりました。

読者に「とても厭だな」といった強い感情を残せる、というだけで「創作物」として一種素晴らしいものとも思えますが、本作のホラー漫画部分・また子守ヒキ(作家は本作が2作目であり、少なくとも非実在キャラクターのPNではありません)の体験部分は、いずれも「怖いモノを作ってやろう」よりも、「『現実』(一般的なもの・読者個々のもの・作家自身のもの)を傷付けてやろう」という感覚に満ちており、作品のクオリティとしては申し分無いものながら、自分としてはキツさが上回ってしまって、(作品に描かれたもの・自分の反応、共に)残念でした。


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