Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年10月28日月曜日

羽生生純『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!【口裂け女捕獲作戦】』


怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆

白石晃士映画「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!【口裂け女捕獲作戦】」コミカライズ。

「コワすぎ!」シリーズの最初作品であり、2020年代日本におけるモキュメンタリホラーブームの嚆矢的作品でありましょう。

「そのまま」ではあるのでストーリーの新規性はありませんが、何故か「映像」と「漫画」という異なるメディアで、全く違う方法・方向で描写されてるのに、熱・テンションまでが「そのまま」で凄い。

元々の作品が漫画的なせいもあるのかもしれませんが、コミカライズながらめちゃくちゃ「羽生生純漫画」を感じられるのも嬉しい。是非ともシリーズ最新作まで、羽生生先生の手でコミカライズしていただきたいところ。

工藤さんの突発性・キレっぷりがあまりにも羽生生漫画キャラ過ぎるし、羽生生先生の「千九人童子」はその絵力といいノリといいあまりにホラー漫画として素晴らしく、羽生生先生にまたホラーっぽいものを描いていただきたかった、という気持ちがちょっと満たされました。

…ただ、これは個人的なクロスメディアに対する感覚かもしれませんが、別メディアでやるならその別メディアでやる必然性、が感じられるクロスメディアが見たいところ。これがオリジナルのホラー漫画企画であれば文句無しに満点だったのですが、「そのまま」故に、既に映画を視聴した身としては(仮に未見視聴者だったとしても)、「アレを観た感覚」を再度味わいたいならコミカライズ・ノベライズで無く原作を観れば良いな、という感じ、確かに素晴らしい漫画表現ではあったものの、漫画ならではの新奇性が見たかったな、ではありました...。




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