怖さ:☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆
生まれながらにして両親を失い、生死・自己実存の肯定の判断が曖昧なヒロシくん4歳は、自分のアリバイを作るため他人に罪を着せる・殺すためのタイミングを待つのでは無く作りに行く、という暗殺一家の生まれの様な、異様なエリートさを獲得してしまう。
まんだらけ・マニア館の國澤さんによる、作家の初の単行本化であり、かつ、これまでのまんだらけ復刻本が「とりあえず作る!作者・もしくは関係者、問題があったら金銭等後々解決するので連絡してね!」という事後承諾スタイルで作られていたのに対して、初めて、著作権者を捜索したものの見つからなかったという事実確認の元で作られた「裁定制度適用復刻本」だそう。
本単行本には表題ほか3篇が収録されており、表題以外の作品はフックは弱いものの、國澤さんがあとがきに書かれているように、通じて「子ども」「孤独」というテーマが在り、その結実としての表題作、の様にも思えます。
「4歳にして犯罪のエリート」という異様なキャラ造形ながら、生命維持に関しては年相応、という感じが、あまりに造形として生々しく・痛ましく、引いては作家の異様さを浮き彫りにする様に思います。
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