Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2018年10月3日水曜日

日野日出志『悪魔の招待状』




日野日出志『悪魔の招待状』
怖さ:☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆



日野日出志連作短編集。ホラーMにて連載されていた『Mコレクション』は2巻までしか出ませんでしたが、タイトルと単行本サイズを何故か変えて「出ました!」。未収録分が1冊分に満たないと判断したのか、一部Mコレクションとの重複アリ。

『Mコレクション』は「あるホラー漫画の異常なコレクションを毎回一つずつ紹介していく」という連作短編なのですが、各話は日野日出志過去作品中で見たようなエピソードで埋められており、一種絵の力が少し弱い「地獄変」、とも見れるのですが、
ことラスト前・ラストのエピソードに行き着くに到り、「地獄変」や「地獄の子守唄」とは趣を異にする「メタ世界の崩壊」により、この単行本は締め括られます。少し、ジョージ秋山の『告白』を思い出すような。その様は「日野日出志という世界観」の締め括りのようにも思えます。…まぁ実際にはこの後も「ん?」と思う作品を描き続けて下さり、蔵六や毒虫は過去の傑作だったのだな、と寂しく思ってしまう訳でありますが…。

ともかく、「日野日出志という世界」を愛して止まない好事家は、ひばりを一通り読んだらこちらに手を出してみることをお勧めいたします。

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