Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年12月4日水曜日

望月峯太郎『座敷女』

怖さ:☆☆
造型:☆☆
状況:☆☆

「望月ミネタロウ」が「望月峯太郎」だった頃の作品。
単行本93年刊行、漫画・映画・小説の全メディアにおいて、おそらく「ストーカーホラー」の草分け的な作品でないでしょうか。
...30年近く経った今読むと、ケータイやらネットやらの無かった世界、「今・あの人は・どこで・何を」を知る情報が限られた世界においてのみ成立するホラー、という感じです。

古びない面白さがありつつも、「座敷女」は救われるべき人だったんでないか、ただ怖がっていい存在なのか、がちょっと説得力が薄まってしまってるというか、作品にもキャラにも奥行きが無さ過ぎるというか…(「人でない」様な描写もあるにはあるものの...)。後発のストーカーホラー、例えば了春刀『イビツ』なんかの方が、怖さや奥行きがあって、優れたホラー漫画の様にも思えます。

とはいえ、ココを起点に数多のサイコキャラクター、山岸由花子・フチさん・ハンターのパームなんかが続いていく所だろうな、などと感慨深く思いつつ調べてたら、座敷女と山岸由花子の登場年ほぼ同じ位なの!?(と思うと由花子さんを思っ切りパクってるパーム...等々、「由花子さん」はミーム的に伝播されつつも、「座敷女」は構造は影響しつつもキャラはあまり継承されてない様にも...)

もいっこ余談。
90年代ヤンマガKC、おそらく元々は単行本に帯が付いてない筈で、著名人が言及したりメディア化したりすると再版から帯が付く、という仕様があるらしく、とはいえ本作と『カリクラ』位しか自分は知らんのですが、『座敷女』帯二種、令和の現代においては中々珍しいものになっています。好事家は探してみましょう。




 

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