Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年12月20日金曜日

うぐいす祥子『悪い夢のそのさき…』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

うぐいす祥子、集英社から出た2冊目の短編集。アトモスで連載されていた表題連作の単行本化に、同人誌・実話誌等掲載の作品をぎゅうぎゅうと。短い作品もあるために、普通の厚みの単行本で10作も入ってます。

…久々に読み返したけど、祥子先生、やっぱ短編めちゃ巧い、面白い…。

装画になってる悪い夢のそのさき1話目「タマッシー」も素晴らしい読者の裏切り方なんですが、個人的には3話「彼女のスーツケース」の驚異の3段オチ、2話「古屋の染み」の実話怪談っぽい話の鮮やかな裏切り方よ!

実話怪談漫画からの作品も2篇入っているのですが、それも「ホントにコレ原作入ってる!?」と疑わしく思ってしまう様な、祥子クオリティ。

ラストの『マンガ・オブ・ザ・デッド』、ゾンビ漫画アンソロジーからの再録のみちょっと弱い位で、あとはもう、どれもホラー漫画としてとても面白い。集英社からの前作「フロイトシュテイン」は2024年現在絶版になっていますが、「悪い夢」はまだ買えます。買えるうちに買っとこう。


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