Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年12月10日火曜日

成毛厚子『復讐の仮面』

 

怖さ:☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

コミックロマンミステリー3、成毛厚子短編集。6編を収録。

個人的には、収録作のうち、「恐怖」としては「復讐の仮面」が、「怪奇」としては黒猫の章」が、とても良かったです。総じて、全般、絵に妖気が走っており、成毛先生の一番脂が乗ってる時に思えます。

「復讐の仮面」。亜希は感情表現が苦手で、華やかさを姉に奪われた様な娘だった。好きな人もそれで姉に取られた様に感じ始め、偶然手に入れた仮面に姉への思いを願うと、仮面はその願いに応えた。

「黒猫の章」。即身仏・不老不死・短命の一族・黒猫の要素が重なり、物語は忌まわしい結末を迎える。あまり言葉で説明せず、ラストで黒猫がムクっと起き上がって終わる手法、オーセンティックなヨーロッパの怪奇文学を読んだ様な、ジワッとした良い味があります。



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