Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年12月19日木曜日

うぐいす祥子『フロイトシュテインの双子』

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

…ホラー漫画連載の難しいところではあるんですが、「鮮烈な1話目」に比して、徐々に主人公含むメインキャラ陣は安全圏に追い込まれていってしまって、最終的に「オカルティックなコメディ」になってしまう、という作品が割とありまして、そういう所もあって、祥子先生も本作の様な短編集にこそ光るものが…。

というネガティヴな語り口はもうよしておくとして、8篇からなる短編集は、表題シリーズ作4篇と短編4篇の構成。

表題作は、黒魔術を好む男女の双子の家庭教師となった男子大学生が、召喚された邪神やら双子の親やらに何やらかんやらされた結果、不死の肉体を手に入れる。が、それは双子の遊び道具になったのも同義であり…。という残酷魔術奇譚。…というか前述の様なオカルティックコメディ。

「森の中の家」はホラー映画あるあるを逆手に取った良編で、「とむらいバレンタイン」「星空パルス」「恋の神様」は、いずれも少女漫画的なもの・家族(ラブ)コメディをうぐいす流に読み直したもの、で、のちの『ときめきのいけにえ』『僕に殺されろ』の根底に在る面白さの肝をグッと捉えた感覚があります。…というか短い方g…ググッ!!(突如電源コードが首に絡まり果てる断末魔)

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