Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年8月12日月曜日

好美のぼる『悪魔のすむ学園』

             

怖さ:☆
造型:☆☆
状況:☆☆☆
ちょいちょいXを賑わせる(?)森由岐子先生の怪作「魔怪わらべ」、こちらは「この家にはトイレがない!」で広く知られているものの決してそれだけの作品では無く、きちんと怪奇漫画としての面白さを兼ね備えたストーリー漫画です。当該コマ周辺のみで満足してしまっている方が居たら、ちゃんと全部読んでくれ!

と訴えかけたくなるものの、本作はもう、ほぼほぼ「パソコンサタン」のみです。それに尽きます。…勿論好美先生の作品群に共通する愛嬌はありますが、踊るぽんぽこりんよろしく、パソコンの中からボワっとパソコンサタンが登場、もーーーうコレです。あと個人的な感性としてはそのパタン(略称)の造型は特段パソコンらしさも無く、キャラクターとしての魅力も無いです。

…でも、とてもイイ漫画なんだなあ。

なお、本書の刊行年は1986年ですが、奇しくものちに「メガテン」としてアニメ・ゲームへとシリーズ化していく小説・西谷史『デジタル・デビル・ストーリー』も同年の刊行。

勿論どっちがパクリだなんだとか言うつもりも無く、「PC」「インターネット」の黎明期における未知への恐怖・そして現代においては一種牧歌的な、その反映イメージの表出として、個人的には共に強い印象が残る作品でもあります。


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