Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年8月21日水曜日

張六郎『落首村』

怖さ:☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

職と家族を失った冬宮は、友人・秦に誘われて旅行へ向かった先で道に迷い、ある小さな村に辿り着く…。という導入が、いわゆる「村ホラー」の定型のよう、その村も独自信仰を持ってて、村人達はその維持のために...というモロな展開ながら、途中現れる解説キャラによる、首の落ちる神・怪異類型の説明が素晴らしく、もう其処だけでも個人的に拍手喝采なのですが、冬宮・秦という主人公コンビのキャラ造形といい、生きる意欲が無さそうなのに異様にファッション美学への強度が高そうな冬宮といい、深刻な場面でイヤに軽々しいやり取り取りといい、冒頭ドアップまでの道筋といい、いや、「漫画として歪な点」が多過ぎる!!…と書くと苦言の様なのですが、その「歪さ」によって「オーソドックス」が絶妙な魅力を持ち始めており、やけに面白い組み合わせなのです。

ただ、キャラ造形のカジュアルさというかコミカルさというかで怖さは半減しているのですが、なんとも魅力的な漫画なので、独自信仰だとか民俗学ホラーだとかでグッと来る人は読んで間違いない作品かと思います。

1巻完結ですが、このコンビが怪奇な事件に巻き込まれる話、いっぱい読みてえー。

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