Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2024年8月30日金曜日

石上愛実「シャボン玉幸子さん」

怖さ:☆☆☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆☆

☆満点作品です!

ぶんか社・ホラー漫画誌「ホラーM」。90年代に世紀末への不安なのか「ホラー漫画誌」が当たり、ホラー漫画専門誌が濫造、ぶんか社自身もいくつも雑誌を作りましたが、その界隈における少年ジャンプ的トップランナーと言えばやはり、ホラーMでしょう。

犬木加奈子や高橋葉介・日野日出志的な大御所を引っ張って来たり、三家本礼・押切蓮介・うぐいす祥子といったのちのジャンルにおける俊英を何人も排出しましたが、急激なブームはいつか終わりが来るもの・2000年代末には廃刊。

その末期には、単行本を刊行出来なかった作家もまた何人も現れていますが、「界隈のトップランナー」的立ち位置は肥沃な土壌を作り、「本が出なかったからと言って面白くない訳では無い作家」を同時に作り出しています。

マエストロ・緑の五寸釘が紹介する事で、初めて雑誌以外の紙面に姿を現した石上愛実もそのひとり。

「シャボン玉幸子さん」。花子さん・口裂け女的な、都市伝説・学校の怪談存在として、その学校で語られる存在・幸子さん。…がめちゃくちゃ物理的暴力を行使・物理怪奇現象を起こす!お前もっとこう、都市伝説的な、活動実態よく分からん感じで活動しろよ!生徒にめちゃくちゃ空気吹き込んでるし、吹き込んでる時めちゃくちゃ化け物トランスフォームしてんぞ!!…という、実話怪談ではありえぬ物理暴れっぷりが気持ちいい。

なお、釘さんのおかげなのかどうか分かりませんが、本作が掲載された『私たちが震えた少女ホラー漫画』刊行の翌年、石上愛実先生初の作品集が、電子のみではありますが刊行されました。…何故か石上先生が広く活躍したぶんか社からでは無く、大洋図書から。なんでや、頑張ってくれ!ぶんか社!!





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