Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年1月13日月曜日

凡天太郎(梵天太郎)『それからのフランケンシュタイン博士』

 

怖さ:☆

造型:☆☆☆

状況:☆☆

刺青師かつ劇画家、でありながらもその作品のほぼ全て単行本化されておらず、その作品の周知・書籍化を手がける「凡天劇画会」による復刊事業のひとつ。

13篇が収録されており、雑誌1冊1万円と見積もっても10万円以上の価値、中には「ブラックAce」なんかも含まれてるので、10万じゃ利かないんでしょうね、恐ろしい…。という貴重な単行本化。

…とはいえ好みもあるのでしょうが、作品ノリは「怪奇色の強いエロ劇画」、怪奇漫画というにはあまりに唐突な展開・性急なオチのモノが多く、本単行本を後年古本でン万で買え、と言われると自分は買わないであろうな、という感じであります。

とはいえとはいえ、装画といい各作の扉絵といい、そのケレン味たっぷりの描線・相反するリアルで肉肉しいキャラクターの肉体・意図的に遠近を狂わせたりキャラのパーツのみを強調したりの鮮烈な画面作り、めちゃくちゃ格好良いです。

刊行2023年、文章を書いている現在でもチラホラ転売屋みたいのがオクを彷徨いたりするのが目に入って来ますが、10年後この本の価値がどれだけ上がってるものやら分からないため、表紙を見て気になったらウニャウニャ言わず転売屋からでもすぐに買っておくが吉。


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