Subbacultcha

「サブカルチャー」という括りの下、文学・芸術・漫画・映画等について述べます。

2025年1月7日火曜日

諸星大二郎『アリスとシェエラザード』

怖さ:☆

造型:☆

状況:☆☆

諸星大二郎劇場第四集。

…比較的、西遊記はナルニアや指輪物語と同じ程度に慣れ親しんでいるものの、『西遊妖猿伝』は「火焔山」を4巻まで通読した上であんま入り込めねえなぁ…と思っていたので、本作も、アリスとシェヘラザードのオマージュバディものかなぁ…?とよく調べもせず遠ざけており、単行本発売時には読めてませんでした。

特段「アリス」「シェエラザード」というネーミングとは無関係な、ヴィクトリア朝ロンドンを舞台とする女探偵二人組が行き会う怪奇事件。

…「探偵小説の怪奇部分だけ扱う」の大好物ノリ、謂わば「マルサイ」みたいなヤツなんですが、どうも栞と紙魚子コンビほど入れ込めませんでした…(というか洋装の彼女達に見えちゃうんですよね、デザインが…)。

とはいえ、要素としては「女性の腕を偏愛するあまり…」とか「人間の自意識を奪ってモノにしたい(人間椅子)」とかみたいなヤベェヤツらにどう対処するか、みたいな所はあって、作家初読者には、素直に妖怪ハンター読んどけ!!と大声で叫びたくなるものの、作家のファンにはちょっと面白い切り口なので勧めたい様な気持ちもあります。

とりあえず2025年現在においては、第5集も読んでみようと思う次第。


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